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Q.

DGPSとRTKって違うんですか?その4

回答

前回からRTK(リアルタイムキネマティック)の説明に入っています。

ではRTKでの測量手順を確認してみましょう。

【1】GPSの固定局を設置してGPSデータの受信と補正データの送信をはじめる
【2】GPSの移動局をセットアップし、GPSと補正データの受信を確認する
【3】静止は必要なく、初期化出来た時点(FIX)で測量を開始する(座標データの保存は必要に応じて可能)
【4】測量が終了したら機器を片付ける前回からRTK(リアルタイムキネマティック)の説明に入っています。

ではRTKでの測量手順を確認してみましょう。

【1】GPSの固定局を設置してGPSデータの受信と補正データの送信をはじめる
【2】GPSの移動局をセットアップし、GPSと補正データの受信を確認する
【3】静止は必要なく、初期化出来た時点(FIX)で測量を開始する(座標データの保存は必要に応じて可能)
【4】測量が終了したら機器を片付ける

以上です。昔のキネマティック測量(リアルタイムでもないしオンザフライでもない)での7段階の手順が4手順で済んでしまいました。しかも初期化時に静止をしなくても良いので、船などの静止困難な対象でも計測出来ます。
ということで、現在ではほとんどRTKですね。

さて、ディファレンシャルとの違いはどこへ行ったのか、ということですが、ディファレンシャルGPSでの補正方法は、最初に自分の位置(座標)を単独測位で計算しておいて、次に補正データで修正する、という手順です。これに対してRTKでは固定局の受信データと移動局の受信データを比較して、任意のGPS衛星までの距離を正確に求めます。GPSで使用している電波の波長は20cm弱なので、その波の数をカウントすることで20cmくらいまで絞れます。さらにその波の位相(波の高いところか低いところか)を調べることで、計算上はmm以下の距離が求められます。

固定局と移動局双方からの距離が正確にわかる衛星が5個以上あれば、計算によって固定局と移動局間の正確な距離と方位が算出できます。このデータと補正データに同時に含まれる固定局の座標値から、移動局の正確な位置が1cm程度の精度で求められます。
つまり、座標計算の前に位相差まで利用してネタを作っているので、ディファレンシャルよりも正確な値が出せるわけです。


えっ、さっき距離はmm以下で求められるって書いてなかったかって?
実はいろいろな誤差要因があるので、計算上はmm以下でも確かさまで考えると1cm±1~2ppm×D(D:固定局と移動局の距離)になってしまうのです。


なお、前回の"キネマティック測量の欠点"について、
1)移動局は初期化時に静止していなければならない
2)リアルタイムに結果がわからない
の2点はRTKによって解決しました。それ以外の点については、次のような対策によって解決が図られています。


3)衛星数が減ったときや何かの陰になって衛星受信障害が起きた場合には、再度初期化しなければならない。

これについてはロシアのグロナス衛星などを利用して衛星数を確保する方法(実用化済み)や、スードライト(Pseudolites:疑似衛星)を使う方法(研究中)などが検討されています。EUが打ち上げるガリレオ衛星や日本が打ち上げ予定の準天頂衛星なども衛星を増やす方法のひとつです。


4)計測の性格上累積誤差が増えやすい
一部のGPS受信機ではRTK測量中にもバックグラウンドで再初期化計算を行っているものがあり、累積誤差や間違ったFIXなどを修正しながらの測量が可能になっています。


5)同じく10km(5kmという説もあり)を超える計測では誤差が大きくなる
固定局と移動局の距離を短くすれば良いのですが、実用上無理があるため、仮想の固定点からの補正データを合成することで常に移動局の近くに固定局があるようにする方法(VRS:Virtual Reference Station 仮想基準点)や、誤差分を面補正して修正する方法(FKP:FlaechenKorrekturPunkt 面補正基準点)があり、実用化されています。

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