橋梁の部材点検に使える計測器特集~鋼部材点検~
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日本では、高度経済成長期に集中的に整備された橋梁の老朽化が進んでいます。
国土交通省によると、全国には約73万橋の橋梁があり、建設後50年以上を経過した橋梁の割合は、2022年時点の約34%から、2032年度には約59%まで増加する見込みです。
橋梁の老朽化が進むなか、安全性を確保しながら長く使い続けるためには、定期的な点検によって損傷を早期に発見し、適切な補修・対策につなげることが重要です。
本記事では、橋梁を構成する鋼部材に発生する代表的な損傷と、それぞれの点検・診断に活用できるレンタル計測器をご紹介します。
橋梁の老朽化を放置すると、以下のような深刻な影響を及ぼします。
- 人命への危険:崩落事故などの重大な被害
- 社会的損失:耐荷力不足や補修に伴う通行規制・渋滞の発生
- 膨大な費用の発生:損傷の拡大による大規模な補修・架替え
早期の点検を怠り損傷が進行すると、重大な事故のリスクが高まるだけでなく、将来的な修繕費用も跳ね上がります。トータルコストを抑えつつインフラの安全を確保するためには、定期的かつ高精度な点検が不可欠です。
橋梁点検の精度向上・効率化に役立つ計測器
橋梁点検は5年に1回の実施が法令で義務付けられています。
定期点検の基本は目視ですが、構造内部や外観から判別できない損傷は見落とされる危険性があります。
そこで有効なのが非破壊検査機器をはじめとする各種計測器です。
目視では判定困難な内部の異常や、アクセスが難しい箇所の点検を可能にし、点検精度の向上と作業効率化を両立します。
一方で、自社で計測器を購入・保有する場合、初期費用やメンテナンスコスト、保管場所の確保、機材の老朽化といった課題が伴います。 レンタルを活用すれば、「必要なときに、必要な分だけ」導入でき、管理負担やコストを最小限に抑えながら現場に合わせた最新機材を柔軟に手配できます。
ここからは、鋼部材に発生する代表的な損傷と、それぞれの点検・診断に活用できる計測器をご紹介します。
1.鋼部材の損傷種類
橋梁の鋼部材には、主に次のような損傷が発生します。
- 腐食による板厚の減少
- 疲労などによる亀裂
- ボルトのゆるみ・脱落
損傷の種類や発生箇所によっては、目視だけでは状態や損傷の程度を把握しにくい場合があります。
次章から、それぞれの損傷の特徴と、点検・診断に活用できる計測器についてご紹介します。
2.鋼部材の損傷種類別診断
腐食が進行すると鋼材の断面が減少し、部材の性能低下につながるおそれがあります。
その主な要因は水分(降雨や結露)と腐食性物質(大気中の亜硫酸ガスや海塩粒子など)です。
特に、次のような箇所では腐食の発生や進行に注意が必要です。
- 水平材上面など、水が滞留しやすい箇所
- 通気性や排水性が悪い連結部
- 泥やほこりが体積しやすい下フランジ上面
- 溶接部
腐食しやすい箇所を重点的に確認し、目視で状態を確認できる部分は目視で、目視だけでは判断しにくい部分は計測器を活用することで、効率的かつ高精度な点検ができます。
腐食の損傷程度は、主に「損傷の深さ」と「損傷の面積」をもとに評価します。
目視での判断がつきづらい場合は以下の画像を参考にすると評価しやすいです。
| 損傷評価区分 b | 損傷評価区分 c | 損傷評価区分 d | 損傷評価区分 e |
|---|---|---|---|
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| 損傷の深さ(小):著しい板厚減少は確認できない 損傷の面積(小):局所的 |
損傷の深さ(小):著しい板厚減少は確認できない 損傷の面積(大):拡がりのある発錆箇所が複数ある |
損傷の深さ(大):著しい膨張、明らかな板厚減少 損傷の面積(小):局所的 |
損傷の深さ(大):著しい膨張、明らかな板厚減少 損傷の面積(大):拡がりのある発錆箇所が複数ある |
※出典:国土技術政策総合研究所ホームページ (「2.1 鋼部材の損傷」より)
目視確認と計測器による測定を組み合わせることで、腐食の発生箇所や進行状況をより詳しく確認できます。
亀裂は、応力が集中しやすい部材の断面急変部や溶接接合部などに発生しやすい損傷です。
鋼材内部に生じる場合や、表面の傷・凹凸などと判別しにくい場合もあるため、目視だけでは確認が難しいことがあります。
特に、次のような橋梁や箇所では亀裂の発生に注意が必要です。
- 供用後10年以上経過している橋梁
- 大型車交通量が比較的多い橋梁
- 昭和31年または昭和39年道路橋示方書で設計された溶接橋
- アーチやトラスの結点部など、大きな応力変動が生じることのある箇所
- 応力集中が生じやすい部材の断面急変部や溶接接合部 など
亀裂は内部に生じることもあるため、目視確認と計測器による検査を組み合わせることで、信頼度の高い点検を行うことができます。
亀裂の損傷程度の評価は、以下の評価基準に基づいています。
亀裂は急激に進展しますが、なかなか目視での判断がつきづらい損傷です。
表面的な長さや開口幅などの性状だけでなく、その深さや街頭部材の構造的特徴、鋼材の状態、発生応力などを総合的に評価することが重要です。
以下は亀裂の損傷評価区分例の画像です。
| 損傷評価区分 c | 損傷評価区分 e | ||
|---|---|---|---|
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| 垂直補剛材と上フランジの溶接接合部に短い亀裂を生じている。 | 垂直補剛材と上フランジの溶接接合部に塗膜割れが確認できる。 | 下フランジのソールプレート全面に線状の亀裂が発生している。 | 中間ダイヤフラムのコーナー部に、線状の亀裂が生じている。 |
※出典:国土技術政策総合研究所ホームページ (「2.1 鋼部材の損傷」より)
目視では確認しにくい箇所や近づくことが難しい箇所では、用途に合った計測・撮影機器を活用することで、点検作業を補助できます。
ゆるみは振動しやすい二次部材に多く見られます。また、F11T以上の高力ボルトは「遅れ破壊」によって突然破断する場合があります。遅れ破壊とは、ボルトが締め付けられた状態で一定期間が経過した後、外見上大きな変化がないまま突然破断する現象です。
そのため、点検の際は製作図などでボルトの種類を確認しておくことも重要です。
損傷程度の評価基準は以下の通りです。
評価する際は、目視で脱落しているボルトの本数を確認できます。評価の判断は下図を参考にしてみてください。
| 損傷評価区分 c | 損傷評価区分 e | ||
|---|---|---|---|
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| 脱落しているボルトの本数が少ない。 | 脱落しているボルトが多い。 | ||
※出典:国土技術政策総合研究所ホームページ (「2.1 鋼部材の損傷」より)
ボルトの締結状態や、目視だけでは確認しにくい箇所の状態を詳しく調べたい場合には、計測器を活用します。
今回ご紹介した鋼部材とコンクリート部材点検に関する計測器特集もあわせてご覧ください。





















