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橋梁の部材点検に使える計測器特集~コンクリート部材点検~

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橋梁の老朽化が進む中、どう構造物の安全性を確保し、適切な維持管理を行っていくかが課題となっています。

事故を防止するだけでなく、将来的な修繕コストを抑えるためにも、損傷を早期に発見し、適切な対策することが重要です。
その手段の一つとして、目視による点検に加え、計測器を活用した点検・診断を行うことが有効です。
計測データを活用することで、損傷の状態をより正確に把握できるほか、点検作業の効率化に繋がります。

本記事では、橋梁を構成するコンクリート部材に発生する代表的な損傷について解説するとともに、それぞれの点検・診断に活用できるレンタル計測器をご紹介いたします。

1.損傷の早期発見による老朽化対策とコスト抑制

橋梁の損傷は、早期に発見して適切に対応することで、老朽化によるリスクを低減できるだけでなく、修繕コストの抑制にも繋がります。

2018年10月16日に開催された財務省の財政制度分科会では、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、2068年までの50年間に全国の地方公共団体で必要となる道路橋のメンテナンス費用が試算されました。この試算では、橋梁を長寿命化することで、50年間で約12兆円の費用抑制効果が見込まれるとされています。

一方で、基本となる目視点検だけでは、内部の損傷を発見することが難しく、発見の遅れや点検品質のばらつきに繋がるといった課題があります。
そこで現在では、非破壊検査やデジタル技術を目視点検と組み合わせることで、点検・診断の精度を高める取り組みが進められています。

新しい技術や機材を導入する際、「まずは現場で試してみたい」という方も多いのではないでしょうか。
そうした本格導入前のお試しとして、レックスが提供する「レンタルサービス」をご利用いただくケースも多くあります。

ここからは、コンクリート部材に発生する代表的な損傷と、後半ではそれぞれの点検・診断に活用できる計測器をご紹介します。

2. コンクリート部材の損傷種類

コンクリート部材では塩害、中性化、凍害、アルカリ骨材反応、疲労などによって以下のような損傷が見られます。

  • ひびわれ
  • 剥離・鉄筋露出
  • 抜け落ち
  • 床版ひびわれ

コンクリート構造物は耐久性に優れる一方、内部で進行する損傷を目視だけで把握するには限界があります。
そこで、構造物を傷つけず内部の変状や劣化の程度を把握・評価できる、非破壊検査機器の活用が進んでいます。

3. コンクリート部材の損傷種類と原因

ひびわれ

コンクリートのひびわれには以下のようなケースがあります。

  • 内部の鉄筋が腐食して生じたひびわれ
  • コンクリート自体の劣化を表す進行性のひびわれ
ひびわれの原因
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労

このようにひびわれには様々な原因が想定されます。
原因によって補修方法も変わってきますので、それぞれの原因に則した点検が必要となってきます。

ひびわれの性状と進行度合いの目安

ひびわれの補修判断や状態評価の参考として、分類例をご紹介します。
※国土技術政策総合研究所の資料による掲載当時の分類例です。作業時は、最新の評価基準や技術資料を優先してください。

区分:b 区分:c
コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因
ひびわれ幅の程度(小)
ひびわれ間隔の程度(小)
ひびわれ幅の程度(小)
ひびわれ間隔の程度(小)
ひびわれ幅の程度(小)
ひびわれ間隔の程度(大)
ひびわれ幅の程度(中)
ひびわれ間隔の程度(小)
区分:d 区分:e
コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因 コンクリート部材:ひびわれの原因
ひびわれ幅の程度(大)
ひびわれ間隔の程度(小)
ひびわれ幅の程度(中)
ひびわれ間隔の程度(大)
ひびわれ幅の程度(大)
ひびわれ間隔の程度(大)
ひびわれ幅の程度(大)
ひびわれ間隔の程度(大)

剥離は、コンクリート部材の表面にあるかぶりコンクリートが剥がれ落ちた状態を指し、鉄筋露出は、その剥離によって内部の鉄筋が露出した状態を指します。
剥離に至る前段階では、コンクリート内部の浮きや空洞によって表面に温度差が生じることがあります。
この特徴を利用し、剥離や鉄筋露出の調査・点検ではサーモグラフィを活用する方法もあります。

剥離・鉄筋露出の原因
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害

ひび割れと同様に、原因によって適切な補修方法が異なります。
劣化の原因を正確に究明し、適切な対策をすることが構造物の長寿命化に繋がります。

剥離・鉄筋露出の性状と進行度合いの目安

剥離・鉄筋露出の補修判断や状態評価の参考として、分類例をご紹介します。
※国土技術政策総合研究所の資料による掲載当時の分類例です。作業時は、最新の評価基準や技術資料を優先してください。

区分:c 区分:d 区分:e
コンクリート部材:剥離・鉄筋露出の原因 コンクリート部材:剥離・鉄筋露出の原因 コンクリート部材:剥離・鉄筋露出の原因
剥離のみ生じている 鉄筋が露出しているが、鉄筋の腐食は軽微である 鉄筋が露出しており、鉄筋が著しく腐食している

抜け落ちは、コンクリート床版(間詰コンクリートを含む)からコンクリート塊が脱落する現象を指します。
床版の場合には亀甲状のひびわれを伴うことが多いですが、間詰めコンクリートや張り出し部のコンクリートでは周囲に顕著なひびわれを伴うことなく鋼材間でコンクリート塊が抜け落ちることもあります。

著しいひびわれが生じていても、貫通して脱落する直前までは「床版ひびわれ」として扱われます。
そのため、抜け落ちに至るまでの損傷は、床版ひびわれや剥離と同様の原因によって発生します。

抜け落ちの原因
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労

抜け落ちは構造物の健全性に大きく影響するため、重大な事故を防ぐには、抜け落ちに至る前の段階で異常を発見し、適切に対応することが重要です。

抜け落ちの性状と進行度合いの目安

抜け落ちの補修判断や状態評価の参考として、分類例をご紹介します。
※国土技術政策総合研究所の資料による掲載当時の分類例です。作業時は、最新の評価基準や技術資料を優先してください。

区分:e
コンクリート部材:抜け落ちの評価 コンクリート部材:抜け落ちの評価
コンクリート塊の抜け落ちがある コンクリート塊の抜け落ちがある

床版ひびわれは、鋼橋のコンクリート床版を対象としたひびわれであり、床版下面に一方向又は二方向のひび割れが生じている状態が床版ひびわれとして該当します。
また、T桁橋のウェブ間(間詰め部含む)、箱桁橋の箱桁内上面、中空床版橋や張り出し部のひび割れもこれに当たります。

床版ひびわれの原因
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労

床版上面には通常アスファルト舗装が施されているため、目視だけで損傷状況を直接確認することは困難です。
補修工事の段階になって舗装を剥ぎ取った際に、想定以上の広範囲な損傷が発覚すると、限られた施工期間内で対応しきれなくなる恐れがあります。
そのため、事前に非破壊検査機器などを活用し舗装下の損傷状態を把握しておくことも方法の一つです。

また、劣化の進行度合いと表面に現れる損傷の程度は、必ずしも一致するとは限らないため、外観だけでなく多角的なデータに基づいて総合的に状態を把握することが推奨されます。

床版ひびわれの性状と進行度合いの目安

床版ひびわれの補修判断や状態評価の参考として、分類例をご紹介します。
※国土技術政策総合研究所の資料による掲載当時の分類例です。作業時は、最新の評価基準や技術資料を優先してください。

※ 画像をクリックすると拡大で表示されます。

区分:b 区分:c 区分:d
コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準 コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準 コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準
一方向ひびわれが主で格子状でない 格子状直前のひびわれの状況 ひびわれ間隔0.5~0.2m程度で格子状に発生
区分:d 区分:e
コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準 コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準 コンクリート部材:床版ひびわれの評価基準
ひびわれ間隔0.5~0.2m程度で格子状に発生 0.2m以下の感覚で格子状に発生。連続的な角落ち 0.2m以下の感覚で格子状に発生。連続的な角落ち

4.損傷の原因別に活用できるおすすめ計測器

コンクリート部材の損傷はさまざまな原因によって発生するため、その状態をより具体的に把握することで、補修の必要性や適切な補修方法の検討に繋がります。
最後に、損傷を調査する際に活用できる非破壊検査機器を、原因別にご紹介いたします。

塩害の有無を調べる計測器

これまで計測が難しかった塩害(Cl)の調査も、ハンドヘルド蛍光X線分析計を活用することで、現場で測定できます。
※「Soil」(土壌用)タイプを選択してください。

持ち運び可能なコンパクトサイズです。
本体を直接コンクリートに当てるだけで、コンクリート表面の成分分析が可能です。

調査可能な損傷原因はこちら
  • 塩害
ひびわれを調べる計測器

NETIS登録番号:SK-160008-VE

コンクリート構造物などに発生したクラック幅を測定します。
ひびわれ箇所を電子顕微鏡で撮影した後、事務所などで写真を取り込み、マウスでひびわれをなぞることでクラック幅を測定できます。
測定結果や撮影した写真をもとに、調査報告書や写真帳の作成にも役立ちます。

超音波を用いて、音速からコンクリートの強度を推定するほか、橋梁・トンネル・連壁・床版・基礎などのコンクリート構造物に生じたひびわれの深さや部材の厚さを測定します。
また測定原理上、ひびわれ幅の影響を受けにくい点も特長です。

調査可能な損傷原因はこちら
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労
剥離を調べる計測器

剥離部は周囲と比べて温度差が生じるため、サーモグラフィで撮影することで、目視では確認しにくい浮きや剥離箇所を判別するのに役立ちます。
R500EXは、120万画素の高解像度を備えたサーモグラフィカメラです。

パノラマ撮影した熱画像を1画像に結合できます。
またExcel、Wordテンプレートで出力や編集を行うことができます。

調査可能な損傷原因はこちら
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労
コンクリート内部の鉄筋を調べる計測器

NETIS登録番号:CB-160009-VE

非破壊でコンクリート内部の状態を調べることができます。
また、鉄筋位置や深さを測り、コア採取やはつり箇所を決定する際にも活用できます。
2Dと3Dモードがあり、用途や出力したい結果に合わせて使い分けることが可能です。

鉄筋の腐食状態を測定し、コンクリート構造物の保全管理に貢献します。
鉄筋とコンクリート間の電位差を測定することで、内部にある鉄筋の腐食範囲や程度を診断します。

調査可能な損傷原因はこちら
  • 塩害
  • 中性化
  • 凍害
  • アルカリ骨材反応
  • 疲労
試料の詳細を調べる機器

サンプルを採取し、より詳細に観察・調査する際に活用できるデジタルマイクロスコープです。
豊富な機能を備えながら、直感的に操作できる設計となっています。
2D・3D測定により、観察結果を定量的に評価できるほか、肉眼では確認しにくい微細な変状の拡大観察・点検に貢献します。

調査可能な損傷原因はこちら
  • アルカリ骨材反応

本記事では、コンクリート部材の損傷に活用できる計測器をご紹介しました。
下記ページにて、鋼部材の点検に活用できる計測器もご紹介していますので、あわせてご覧ください。