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Q.

溶存酸素と水質

溶存酸素って??

溶存酸素とは

溶存酸素とは、その名のとおり水中に溶け出している酸素の量のことです。英語ではDissolved Oxygenということから、その頭文字をとって「DO」と呼ばれたりもします。水質汚濁の指標のひとつであり、正常な河川ではほぼ飽和状態であるとされています。

溶存酸素計の種類は、卓上で手軽に計測できるタイプから、長期的に屋外にて連続計測をするタイプなどがあります。

溶存酸素と水質の関係

正常な環境では、植物が光合成することによって酸素が排出され、それが動植物の呼吸によって消費されます。この酸素の発生量が、消費量よりも少なくなれば、魚類をはじめとした水生生物たちは生存が困難になります。
また極端な場合だと、微生物が大量発生して、硫化水素などのガスを発生させ悪臭を生む場合などもあります。

溶存酸素が減る原因って何?

溶存酸素の値が変化する原因として、いくつかの理由が考えられます。

飽和溶存酸素

飽和溶存酸素量は気圧、水温、溶存塩類濃度などによって変化します。下表は蒸留水、一気圧下における各温度の飽和溶存酸素を表しています。

温度 mg/L 温度 mg/L
0℃ 14.16 7℃ 11.75
1℃ 13.77 8℃ 11.47
2℃ 13.40 9℃ 11.19
3℃ 13.04 10℃ 10.92
4℃ 12.70 11℃ 10.67
5℃ 12.37 12℃ 10.43
6℃ 12.06 13℃ 10.20
温度 mg/L 温度 mg/L
14℃ 9.97 21℃ 8.68
15℃ 9.76 22℃ 8.53
16℃ 9.56 23℃ 8.39
17℃ 9.37 24℃ 8.25
18℃ 9.18 25℃ 8.11
19℃ 9.01 26℃ 7.99
20℃ 8.84 27℃ 7.87
温度 mg/L 温度 mg/L
28℃ 7.75 35℃ 7.04
29℃ 7.64 36℃ 6.94
30℃ 7.53 37℃ 6.86
31℃ 7.42 38℃ 6.76
32℃ 7.32 39℃ 6.68
33℃ 7.22 40℃ 6.59
34℃ 7.13

富栄養化

水中の肥料(窒素化合物やリンなど)が増加することによって、光合成量の増加→植物プランクトンの増加→それを捕食する動物プランクトンの増加。という流れが生まれ、呼吸量の増大から溶存酸素も急激に減少することがあります。
この富栄養化が進む要因としては、自然発生的なものと、人工的な下水や工業用水によるものとの2通りが考えられます。先ほどお話しした、溶存酸素が水質汚濁の指標となっているというのは、このような人工的な富栄養化や有機物の流入が環境に与える影響に起因しているといえるでしょう。

計測の場所

河川では、上流域の渓流では水面が波立つために酸素の溶け込む量が多く、溶存酸素量が高いです。また下流の方になると有機物の量も増えますから、必然的に溶存酸素は少なくなるといえます。

気温や気圧

一般的に気温が低いほど、またかかる圧力が大きいほど、溶存酸素の量は大きくなります。
1気圧、25℃の条件下では、8.11mg/L(飽和溶存酸素量)の酸素が溶け込むと考えられています。

ちなみに溶存酸素の濃度については、環境基準として以下のようなものがあります(類方別・その他の項目も含む)。

項目 類型 利用目的の
適応性
基準値 該当水域
水素
イオン
濃度(pH)
生物化学的酸素要求量(BOD) 浮遊物質量(SS) 溶存酸素量(DO) 大腸菌群数
AA 水道1級自然環境保全及びA以下の欄に掲げるもの 6.5以上
8.5以下
1mg/l
以下
25mg/l
以下
7.5mg/l
以上
50MPN/100ml
以下
第1の2の(2)により水域類型ごとに指定する水域
A 水道2級
水産1級
水浴及びB以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
2mg/l
以下
25mg/l
以下
7.5mg/l
以上
1,000MPN/100ml
以下
B 水道3級
水産2級
及びC以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
3mg/l
以下
25mg/l
以下
5mg/l
以上
5,000MPN/100ml
以下
C 水産3級
工業用水1級
及びD以下の欄に掲げるもの
6.5以上
8.5以下
5mg/l
以下
50mg/l
以下
5mg/l
以上
-
D 工業用水2級
農業用水及びEの欄に掲げるもの
6.0以上
8.5以下
8mg/l
以下
100mg/l
以下
2mg/l
以上
-
E 工業用水3級環境保全 6.0以上
8.5以下
10mg/l
以下
ごみ等の浮遊が認められないこと 2mg/l
以上
-

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