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超音波探傷試験(UT)の測定方法と資格について|よくある質問と失敗防止策も紹介

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超音波探傷試験(UT:Ultrasonic Testing)は、正しい手順と条件設定によってはじめて信頼性の高い検査結果が得られる技術です。一方で、探触子の選定や校正、操作方法を誤ると、欠陥の見落としや誤判定につながるリスクもあります。

本記事では、超音波探傷機を用いた基本的な測定手順をステップごとに整理するとともに、UTに関わる代表的な資格制度やレベル区分について解説します。さらに、現場で起こりやすい失敗例や注意点にも触れ、実務で役立つポイントを分かりやすくまとめています。

この記事でわかること
  • 超音波探傷試験(UT)の基本的な測定手順: 条件設定から校正、実測、評価までの一連の流れを、実務目線で分かりやすく解説します。
  • 測定精度を左右する重要ポイント: カプラントの使い方や探触子の操作など、結果に直結する注意点を整理します。
  • 超音波探傷試験に関わる資格制度の概要: JSNDIの非破壊試験技術者資格(UT部門)と、JIS Z 2305に基づくレベル区分の考え方を解説します。
  • 現場でよくある質問と失敗事例: 探傷結果が安定しない原因や、見落としを防ぐための実践的な対策を紹介します。

超音波探傷機の測定方法

超音波探傷器の基本的な測定の流れは以下の5ステップです。

①検査条件を決める
  • 検査対象(材料・板厚・溶接部など)を確認する
  • 使用する探触子(垂直・斜角など)を選ぶ
  • 探傷器に材料の音速や探触子情報を設定する
②キャリブレーションを行う
  • 標準試験片を使って距離や感度を合わせる
  • 画面上の表示と実際の位置が合っているかを確認する
③検査対象となる表面をきれいな状態にし、カプラントを塗布する

UTは探触子と対象物の間に空気が入ると超音波がほとんど伝わらないため、表面状態が結果に直結します。

  • 検査面の汚れやサビを取り除く
  • 接触を良くするために、カプラント(ゼリーなど)を塗る
④探触子を手で動かして測定する

探触子は強く押し付ければ良いわけではなく、一定の圧で安定接触させることが大切です。押し当て圧が変わるとカプラント膜厚や接触状態が変化し、エコー高さが揺れて判定が難しくなります。

  • 探触子を検査面に当て、一定の速度で動かす
  • 画面に出る反射波形を見ながら、異常がないか確認する
⑤測定した波形から内部のきずや欠陥を評価する
  • 反射の位置や大きさを確認する
  • 必要に応じて、測定結果を保存・記録する
  • 基準と照らし合わせて合否を判断する

超音波探傷試験(UT)の資格

超音波探傷試験(UT)は結果が技量に左右されやすいため、一定水準の知識・技能を担保する資格制度が整備されています。代表的な認証制度とレベル区分は以下になります。

非破壊試験技術者資格認証制度(UT部門)

超音波探傷試験(UT)には、技術者の知識や技能を客観的に認証するための資格制度があります。国内で広く用いられているのが、一般社団法人 日本非破壊検査協会(JSNDI)が実施する「非破壊試験技術者資格認証制度(UT部門)」です。

この資格はJIS規格に基づいており、多くの検査現場や発注仕様書で参照されています。そのため、超音波探傷試験(UT)に携わる技術者にとっては、実務上の基準となる資格として位置づけられています。

なお、資格の有無は業務内容や立場によって求められるレベルが異なり、すべての作業で必須というわけではありませんが、検査の信頼性や説明性を高めるうえで重要な役割を果たしています。

JIS Z 2305に基づくレベル区分

JIS Z 2305では、非破壊試験技術者の資格をレベル1からレベル3に区分し、それぞれの役割と責任範囲を定めています。レベルが上がるにつれて、単なる試験作業の実施から、試験条件の選定、結果の評価、手順の策定、全体の統括へと責任が移っていく点が特徴です。超音波探傷試験は条件設定によって結果が変わるため、誰が条件を決め、誰が最終判断を行うのかを明確にしておくことが、トラブル防止につながります。

案件の難易度が高くなるほど、レベル2以上が現場の中核となり、レベル3が規格適用や技術判断、教育・監査を担う体制が求められることが多くなります。

レベル1

レベル1は、定められた手順書や指示書に従って試験を実施し、決められた範囲で結果を記録・報告する役割です。規定された条件を守り、確実に測定し、正確な記録を残すことが求められます。

レベル2

レベル2は、試験条件の選定や結果の評価、指示書作成、作業者への指導などを担うレベルです。多くの現場で実務の中心になり、探傷結果の妥当性を技術的に説明する役割を果たします。

レベル3

レベル3は、試験手順の策定、技術的判断、教育・監査、規格適用の統括などを担う、組織の技術責任者に相当する役割です。個別案件への対応に加え、組織として一貫した検査品質を維持するための仕組みづくりを担います。

超音波探傷試験のよくある質問や失敗

超音波探傷試験(UT)は、ちょっとした見落としが測定結果に大きく影響することがあります。ここでは、よくある質問や失敗例を紹介します。

カプラントを十分につけていない

探触子と被検体の間に空気が残ると、超音波がうまく伝わらず、反射が極端に弱くなります。「反応が出ない」「感度が安定しない」といった場合は、まずカプラントの量や塗り方を確認することが基本です。

探触子の種類を選び間違えている

被検体の材質や形状、検査目的に対して探触子が適切でないと、きずに超音波が当たらないことがあります。例えば、厚板に高周波探触子を使ったり、溶接部の探傷に垂直探触子を使ったりすると、きずを見逃す原因になります。

校正を省略・簡略化してしまう

距離や感度の校正が不十分なまま試験を行うと、表示される位置や大きさが実際とずれてしまいます。短時間の検査であっても、基準試験片を用いた校正は省略せず、条件変更時には再確認することが重要です。

レンタルできる超音波探傷器

ここからは、実際の現場で使われることの多い、レンタル可能な超音波探傷器を紹介します。

画像説明

JSNDI(社団法人日本非破壊検査協会)仕様に対応
探傷条件や波形画像などをUSBメモリに保存できます

「見積りからレンタルまで丁寧に対応をしてもらいよかった。」
「演習モードで使用したが使いやすかった。」
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JSNDI(社団法人日本非破壊検査協会)仕様に対応
7インチのタッチスクリーンで操作しやすい

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超音波探傷試験(UT)の基礎知識から、測定原理や仕組み、種類と選び方については、別ページで詳しくまとめています。
より詳しく知りたい方など、ぜひあわせてご覧ください。