マスクフィットテストとは?義務化の内容から実施方法までわかりやすく解説
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マスクフィットテストとは、呼吸用保護具が着用者の顔に正しく密着しているかを確認するための検査です。
この記事では、マスクフィットテスト義務化の背景や必要となるケースと対象者、具体的な実施方法、内製化する際のポイントなどについて解説します。ぜひ最後までお読みください。
マスクフィットテスト義務化と事業者の対応について
金属アーク溶接作業における義務化(令和5年)
屋内作業場で金属アーク溶接を行う場合、発生する溶接ヒュームによる健康被害を防ぐため、呼吸用保護具を装着する必要があります。
また、その呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認するための、1年以内ごとに1回のマスクフィットテストが義務付けられています。
この健康障害防止措置は、令和5年に義務化されました。
第三管理区分の作業場における措置強化(令和6年)
令和6年4月から、作業環境測定の結果が第三管理区分となり、所定の手続きを経て改善が困難と判断された作業場では、呼吸用保護具によるばく露防止対策が強化されました。対象となる呼吸用保護具を使用する労働者には、1年以内ごとに1回のフィットテストなどが義務付けられています。
マスクフィットテストとは
マスクフィットテストとは、呼吸用保護具が着用者の顔に正しく密着しているかを確認するための検査です。
呼吸用保護具は、性能の高いものを選んでも、顔との間にすき間があると十分な効果を発揮できません。そのため、実際にマスクを装着した状態で密着性を確認します。
マスクフィットテストには「定量的フィットテスト」と「定性的フィットテスト」の2種類があります。具体的な実施方法や違いについては後ほど詳しく解説します。
対象となる呼吸用保護具について
対象となる呼吸用保護具は、大きく分けて以下の3種類があります。
-
取替え式 全面形面体(顔の全体を覆うもの)
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取替え式 半面形面体(口・鼻を覆うもの)
- 使い捨て式 半面形面体(マスク状のもの)
対象となる呼吸用保護具を定められた用途で使用する際には、定期的なマスクフィットテストが必要です。
※ルーズフィット形マスクについては、マスクフィットテストの対象外となります。
マスクフィットテストの対象者と実施頻度・資格について
マスクフィットテストの対象者は、以下の通りです。
-
屋内で継続して金属アーク溶接等の作業を行う労働者
- 作業環境測定の結果が第三管理区分となり、所定の手続きを経て改善が困難と判断された作業場で、対象となる呼吸用保護具を使用する労働者
また実施頻度については、1年以内に1回実施する必要があります。
なお、マスクフィットテストの実施者には、特に資格等の規定は定められていません。
ただし適切なフィットテストを行うためには、フィットテストの方法や使用する機器などについて十分な知識を持った人が実施することが重要です。
マスクフィットテストの実施方法をわかりやすく解説
ここからは、マスクフィットテストの具体的な実施方法について、わかりやすく解説していきます。
まずは、混同されがちな定量的フィットテストと定性的フィットテストの違いについてご説明していきましょう
定量的フィットテストと定性的フィットテストの違い
マスクフィットテストには「定量的フィットテスト」と「定性的フィットテスト」の2種類があります。
主な違いとしては、マスクの密着性を数値で評価するか、被験者の感覚によって確認するかという点です。
| 項目 | 定量的フィットテスト | 定性的フィットテスト |
|---|---|---|
| 検査方法 | 専用の測定器 | 味覚などの感覚 |
| 判定方法 | マスク内外の粒子濃度を測定 | 甘味や苦みを感じるかどうか |
| 結果 | フィットファクタ(数値) | 合格・不合格 |
| 面体の種類 | 半面形・全面形 | 半面形のみ |
定量的フィットテストの方法
定量的フィットテストでは、専用の計測器を用いて、面体の中と外の粉じんの粒子の個数を計測します。
定量的フィットテストには、標準と短縮の2種類がありますが、ここでは標準的なフィットテストについてご説明しています。
標準的フィットテストでは、フィットファクタの測定ができる計測装置と接続した測定用マスクを装着して、JISで規定された7つの動作を行いながら計測します。
動作は以下の通りです。※JIS T 8150:2021を参考に作成
- ①通常呼吸
- ②深呼吸
- ③頭を左右に回す
- ④頭を上下に動かす
- ⑤声を出して話す(朗読など)
- ⑥前屈
-
⑦通常呼吸
→合否判定へ
ちなみに短縮定量的フィットテストは、標準法とは異なる規定の動作を行うことで、測定時間を短縮する方法です。短縮定量的フィットテストを行う際には、対応した専用機器を用いる必要があります。
なお、定量的フィットテストでは、測定器とマスクを接続するため、マスクへのプローブの取り付けや、専用のサンプリングアダプターなどが必要になります。必要な準備はマスクの種類や測定器によって異なりますので事前にご確認ください。
検査の結果得られたフィットファクタが、要求フィットファクタ(全面形面体の場合は500、半面形面体の場合は100)以上であれば検査合格です。
定性的フィットテストの方法
定性的フィットテストは、主に半面形面体で実施するテストです。
専用のフードや噴霧器、試験液などを使用します。事前に試験液の味を感じ取れるかを確認したうえで、マスクを装着し、JISで規定された7つの動作を行います。
動作は以下の通りです。※JIS T 8150:2021を参考に作成
- ①通常呼吸
- ②深呼吸
- ③頭を左右に回す
- ④頭を上下に動かす
- ⑤声を出して話す(朗読など)
- ⑥前屈
-
⑦通常呼吸
→合否判定へ
規定の動作中に味を感じなければ検査合格となります。
不合格になった場合
定量的フィットテスト、定性的フィットテストともに、検査結果が不合格となった場合は
マスクを装着しなおす、さまざまな角度から原因を検討して改善を行ったうえで、再度フィットテストを行ってください。
それでも不合格になる場合は、マスクの選定から見直すことを検討してください。
結果の記録について
フィットテストを受けた者の氏名、確認の日時、装着の良否などJIS T 8150:2021に規定される項目を記録し、3年間保存します。
フィットテスト実施の注意点
フィットテストを実施する際には、以下のような点に注意してください。
● ひげや髪の毛の確認: マスクと顔の間に髪の毛やひげ、衣服が挟まっていると隙間から空気が漏れるため、マスクの密着部分にこれらがかからない状態で行います。
● 喫煙の制限: 測定に影響が出るため、喫煙後30分以内の実施は避けます。
● シールチェック: マスクを装着後、取扱説明書に従って息を吸う・吐くなどして漏れがないか確認します。
マスクフィットテストを内製化するには?
マスクフィットテストの実施には、前述の通り特別な資格等は不要であり、作業場自身が実施するケースも多くあります。内製化することで、外部委託の日程調整が不要になり、自社のスケジュールに合わせて実施しやすくなります。
ただしフィットテストの頻度は高くなく、計測器の費用も高額です。そのためだけにあらかじめ設備を用意しておくには事業者への負担も大きいため、レンタルなどの方法を用いて計測器を調達し、検査を内製化する方法が、選択肢の一つとなっています。
フィットテストに必要な機器と準備
定量的フィットテストを実施する際には、「マスクフィットテスター」という専用の計測器を用いる必要があります。
粒子発生器なしに使えるタイプでは、準備負担も軽く、比較的簡単に検査ができるため安心です。
※極端に粒子が少ない場所では、別途粒子発生器が必要になるケースがあります。
なお定性的フィットテストを実施する場合は、専用のフードや噴霧器、試験液などのご用意が必要です。
レンタル可能なマスクフィットテスターはこちら
法令で定められたフィットテストに対応した、レンタルできるマスクフィットテスターです。
最短5日間から必要な期間だけレンタルでの使用が可能なため、内製での検査などに活用されています。
※本製品で「定量的フィットテスト」を行う際、使い捨てマスクの場合はレンタル構成品の治具とプローブでマスクを加工して使用してください。なおフィットチェックの場合は、専用の試験ガイド(フィットチェックプローブ)が必要です。必要な場合はお申し付けください。
それ以外のマスクで「定量的フィットテスト」を行う場合は、サンプリングアダプターが必要です。マスクの購入先にお問い合わせください
マスクフィットテストについてのまとめ
マスクフィットテストは、呼吸用保護具が着用者の顔に適切に密着しているかを確認するための検査です。対象となる作業では定期的な実施が必要となるため、対象者や実施方法を確認し、適切に実施しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
