スピードガン活用ガイド|ボールやスイングの測り方をイラストで分かりやすく
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スポーツでの球速測定から車両の速度管理まで様々な場面で利用されているスピードガン。正確に速度を測るためには、ただ対象に向けて測定するだけではなく、実は測定者の立ち位置(ポジショニング)や測定方法への理解が重要です。
本記事では、特にニーズの高い「スポーツでの球速測定」に焦点をあて、各種スポーツにおける測定時のベストなポジションや測定時のや注意点をイラスト付きで説明していきます。また使用時に多く寄せられる質問や活用のポイントについてもご説明していきます。
スピードガンとは
スピードガンとは、その名の通りスポーツ競技や車両などのスピードを測定し、表示する測定器です。
「ドップラー効果」を利用し、電波を対象物に当て、反射した電波の周波数を解析することで、速度を測定しています。
スピードガンの原理と仕組み
スピードガンの原理についてもう少し詳しく説明していきましょう。
スピードガンは、対象物に電波(マイクロ波)照射し、跳ね返ってきた電波の周波数の変化(これをドップラー効果といいます)を利用して速度を算出する仕組みです。スピードガン内部には、電波の送信器と受信器が備えられており、照射したときの電波と戻ってきたときの反射波の比較で速度を求めます。
これは救急車のサイレン音の高さが、近づくと高く、遠ざかると低く聞こえる「ドップラー効果」と同じ原理です。対象が近づくほど反射波の周波数は高くなり、離れるほど低くなるため、その“周波数差”を解析することで移動速度を算出できます。
非接触で測定でき、しかも比較的瞬時に速度が表示されるため、スポーツ計測から車両速度の確認、工場ラインでの搬送速度管理まで、リアルタイム性が求められるさまざまなシーンで活用されています。
スピードガンの用途や活用シーン
スポーツのスピ―ド測定に
野球・ソフトボール、テニス、サッカー、バレーボール、アメフト等のボールスピードを計測し、成果を確認できます。 スピードガンから離れた場所で大型ディスプレーによる速度表示が可能なタイプもあります。
速度監視、安全管理業務にも
構内の交通事故防止のための安全速度規制・速度監視や、工場・事業所内の安全走行基準の遵守のための安全速度監視用・保安用として幅広い分野で活用されています。 スピードガンを応用した「速度監視警報機」では、頑丈な筐体と防雨構造により野外での自動監視・警報が可能となりました。
スピードガンの用途別ベストポジション
ここからは、各種スポーツに焦点を当て、どの場所からどのように測ったらよいかを具体的に解説していきます。
投球スピードを測る!
※1
この位置では正確に計測ができません
※2
入射角が10度を越えると実際の速度より遅い速度で計測表示されます。
例えば入射角30度の場合、実際の速度の87%で計測表示されます。
バット・ゴルフクラブのスイングを測る!
※1
1.スピードレーダーを自動測定モードに設定し、三脚で固定します。
2.バットやクラブを握りスポーツレーダーへ向けて構え、2倍以上の距離を保てる場所に立ってスイングして下さい。
3.バットスイングの場合の昇順は図で示されるように、バットのヘッドに向けて下さい。
※2
「ゴルフクラブスイングの場合の照準」
スポーツレーダーの照準はできるだけスイング軌道面に沿った方向にセットし、最大速度が発生する「ボール」の位置に向けます。
ちなみに、海外プロプレイヤーには、ゴルフのヘッドスピードが 252km/h(70m/sec)ぐらいを越える選手もいるそうですよ!
テニスボールのサーブスピードを測る!
正確な計測のためにはスピードガンの照準を出来るだけボールの軌道に沿わせることが重要です。サーブポジションに合わせてスピードガンがサーバーの背面に位置するように移動して下さい。
バレーボールのサーブスピードを測る!
測定制度を保つためにスピードガンは三脚で固定し、ボールの軌道に沿ったラインに照準を定めて下さい。
ちなみに、サーブスピードの最高記録は125km/hぐらいだそうです!
※出典はすべてダイナテック資料より
スピードガンのよくある質問
スピードガンについて、よくいただく質問と回答をまとめました。
A.スピードガン、スピードディスプレーともに防雨構造にはなっていません。雨中でのご使用はご遠慮ください。
ただし、スピードガンはビニールカバー等を通しても計測可能ですのでビニールカバー等をかぶせて濡れないように対策していただければ使用可能です。
A. 昼夜に関係なく測定していただけます。また風・温度の影響も受けません。網(金属)ネット越しにも計測可能です。
A. 今回ご紹介した機器では、スピード表示単位はKm/時 及び Mile/時のふたつの表示方法から選べます。
A. 今回ご紹介した機器の場合、初速、終速といった捉え方はしておらず、計測レンジに入った時点で計測します。
計測レンジは計測対象物のサイズ、形等により異なってきますが、野球ボールの場合約18~20mです。
レンタルできるおすすめスピードガンのご紹介
短期間だけ使用したい、という要望にはレンタルという方法もおすすめです。
レンタル可能なスピードガンをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
