初心者のための三脚選択ガイド|測量機に適した三脚の基礎知識と選定ポイント
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測量機と共に使用され、測量には欠かせない「三脚」。様々な種類があり、選定にお困りの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、三脚の取り換え時期や選定について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
正しい「三脚の取り換え時期」を知っていますか?
測量機とセットで使用する事が多い三脚ですが、三脚には正しい「取り換え時期」があるのはご存知ですか?
いつも使用している三脚に「へこみ・つぶれがある」「ネジが錆びている・硬くて回らない」「石突がすり減っている」ときは要注意です!正しい測量が出来ない場合や、最悪の場合大切な測量機を乗せたまま倒れてしまう事も・・・。
まずはお使いの三脚と写真を見比べてみてください。1つでも当てはまる項目があれば「取り換え」時かもしれません。
三脚の基礎知識と選択方法 ~たった2つのポイントで三脚の全てが分かる!~
測量機に使用する三脚は、数が多く分かりづらそうと感じている方も多いかもしれません。でもご安心ください。実はたった2つのポイントに注目するだけで簡単に選定が可能です。
ポイント①三脚の材質を選ぶ
三脚を選定する、一つ目のポイントは【材質】です。材質には、大きく分けてアルミ製と木製の二つの種類があり、それぞれ用途と特徴が異なります。
木脚(木製三脚)
長所・・・温度による膨脹が少なく振動も吸収するため、精度の良い測量が可能。丈夫で長持ち。
短所・・・重量が重たいので持ち運びに不便。
精度を重視する基準点測量などにも用いられることが多い三脚です。
アルミ製三脚
長所・・・安価。軽くて持ち運びに便利。
短所・・・木脚に比べると精度が劣る。
一般的な施工現場などではこちらが多く使われます。
ポイント②脚頭・定芯桿のタイプを選ぶ
三脚は測量機と同じメーカーのものを使わないといけない…と思っている方もいらっしゃいますが、実はそうではありません。お使いの測量機の種類から三脚のタイプが判断できれば、メーカーに関わらず三脚を選定できます。ポイントは「脚頭の形状」と「定芯桿のサイズ」です。
脚頭の形状
三脚の測量機との接続部分となる部分を脚頭と言いますが、この形状脚頭の形状が平面になっているものと球面になっているものと2種類あります。脚頭の形状は接続する測量機の種類によって使い分けます。
脚頭の形状が球面のタイプです。上部から見ると脚頭の部分が球体のように丸くなっています。「丸頭(まるあたま)」と呼ばれることもあります。
平面タイプの脚頭です。上部から見ると脚頭の部分がまっすぐ平らになっています。「平頭(ひらあたま)」と呼ばれることもあります。
定芯桿のサイズ
測量機を接続する穴となるネジの接続部分を定芯桿と言います。「定芯桿」の大きさも5/8インチ(細管)もしくは35mm(太管)が主力です。その他カメラ三脚と呼ばれる1/4インチのものもございます。
※ただし、測量機の種類やメーカーによっては専用の三脚を使う必要があるものもございます。詳しくはお問合せ下さい。
かんたん三脚選択ガイド
三脚の基本的な内容についてご説明してきました。ここからは実際の測量機と該当する三脚の種類について具体的にご説明していきます。
脚頭と定芯桿を中心にご説明していきますので、三脚の材質については、求める精度に応じてご選択をお願いします。
レベル用三脚
脚頭形状は球面・定芯桿は5/8インチ(細管)をご使用ください。
形状は「丸頭」「球体」「球面」をご選択ください。
型式は「DY」や「OD」など「D」が入ったものを選択ください。
木脚を使用される場合は平面脚でも取付は可能です。
定芯桿は「細管」を選択ください。
トータルステーション用三脚
トータルステーションがシフティング式か着脱式かによって定芯桿のサイズが異なります。
形状は「平頭」「平面」をご選択ください。
シフティング式の場合は「太管」をご選択ください。
着脱式の場合は「細管」をご選択ください。
セオドライト用三脚
脚頭形状は平面・定芯桿は35mm(太管)をご使用ください。
距離計用三脚
脚頭形状に定めはありませんが定芯桿は1/4インチをご選択ください。また別売りのアダプターを付ける事でより安定した測量が行えます。
三脚の基本と選択方法のまとめ
測量機とあわせて使用することの多い、三脚の基礎知識と選定ポイントについて解説してきました。
三脚を正しく選定するためには、使用する測量機の種類に加え、三脚の材質(精度への影響)、脚頭の形状、定芯桿の規格を適切に理解することが重要です。
また、安全かつ正確な測量を行うためには、交換時期を適切に判断することも欠かせません。三脚の状態が悪いと、精度低下だけでなく、測量機の転倒といった重大なトラブルにつながる可能性があります。
本記事の内容を参考に、使用目的や測量機の特性に合った三脚を選び、安心して測量作業を行ってください。
