土の締固めとは|施工機械・試験方法・品質管理の基本を解説
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土の締固めは、地盤の支持力を確保し、沈下や変形を防ぐために欠かせない重要な工程です。
この記事では、土の締固めの基本的な考え方に加え、主要な施工機械の特徴、品質管理のための代表的な試験方法などについて分かりやすく解説していきます。
締固めとは
土の締固めとは、外部から力を加えて土を圧縮し、粒子同士の配列を密に組み替えることで、土の空隙を減らして密度を高め、安定した地盤を造成するための施工です。
圧縮の過程では粒子が破砕・変形し、大きな粒子の隙間に細粒分が入り込むことで、土全体が締まり、支持力の向上・沈下の抑制・耐久性の確保といった効果が得られます。
締固め後の土の状態は、採用する締固め方法や与えるエネルギー(転圧力・振動など) に大きく左右されます。そのため、対象とする土質や施工条件に応じて適切な締固め機械を選定することが極めて重要です。
また、品質を均一に確保するためには、盛土全体を均一に締め固めることに加え、施工中の横断勾配や排水に配慮し、過剰な含水状態を避けることも重要なポイントとなります。
締固めの方法には、ローラやタイヤの荷重によって土を押し固める「転圧」、振動を利用する「振動締固め」などがあり、用途に応じて使い分けられます。
締固めを行う機械
締固めを行う機械には以下のような種類のものがあります。
ロードローラ
- 表面が滑らかな鉄輪によって「転圧」による締固めを行う。マカダム型とテンダム型がある。
- 舗装や路盤用として多く用いられ、路床面等の仕上げに使われることもある。
- 高含水比の粘性土や均一な粒径の砂質土などには適さない。
- 空気入りのタイヤによる「転圧」により締固めを行う。
- 一般的に砕石などの締固めには接地圧を高くし、粘性土などの場合は接地圧を低くするといった土質に応じた調整が可能。
- 土の締固め機械としては最も多く利用されている。
- ローラに起振機を組合せ、振動によって締固めを行う。
- 一般的に粘性に乏しい砂利や砂質土の締固めに効果があるとされているが、ローラの質量、振動数などを適切に選ぶ必要がある。
- 岩やレキの締固めには重い機械で高振動数の物が適している。
- ローラの表面に突起がついており、突起の先端に荷重が集中して高い転圧が得られる。
- 土の摩擦力をせん断する力が強いため、粘質性の強い粘性土に適している。
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鋭敏比の大きい高含水比粘性土では突起による土のこね返しによって軟弱化させるので注意が必要である。
締固め作業は、オペレーターの技量や走行ルートの取り方によって品質にばらつきが生じやすい作業です。そのため近年では、建設ICTを活用した「転圧管理システム」によって、転圧回数や走行軌跡を可視化し、締固め品質を確実に確保する取り組みが進んでいます。
締固めの品質確認と試験方法
締め固められた土の状態を適切に評価するため、現場で実施できる様々な試験方法があります。ここでは、締固めの品質を確認する際に用いられる代表的な試験機を何点かご案内していきます。
こちらに挙げた試験機はすべてレンタルが可能です。現場状況に応じた選定やご相談なども可能ですので、是非お気軽にお問合せください。
