トラックスケールとは?仕組みや種類、使い方についても解説
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- トラックスケール・車両重量計とは
- トラックスケールの仕組みと測定原理
- トラックスケールの種類と選び方
- トラックスケールの使い方(ポータブルタイプの使い方)
- トラックスケールのおすすめの機器
トラックスケールとは、大型車両の「総重量」や「積載重量」を正確に計測するための機器です。「台貫(だいかん)」や「看貫(かんかん)」とも呼ばれ、物流や産業など幅広い現場で利用されています。
今回は、手軽に扱える簡易型の話を中心に、仕組みや測定原理、種類と選び方などを解説していきます。車両や積載物の重量を適切に管理することは、法令遵守はもちろん、安全性の確保や業務効率の向上にもつながります。トラックスケールは、そうした現場の信頼性を支える重要な設備の一つです。
仕組みや種類を正しく理解することで、適切な機器選びと安全な運用に役立ちます。基本的な知識から使い方、おすすめ機器までをご紹介しますので、導入・運用の参考にしてください。
トラックスケール・車両重量計とは
トラックスケール・車両重量計とは、トラックや大型輸送車両の重量を量る大型計量器のことです。主に工場や物流センター、廃棄物処理施設などで、積荷の量を正確に把握するために利用されています。重量がオーバーしている場合は法令違反につながる恐れもあるため、トラックスケールを活用し、安全性と法令順守を両立させることが重要です。
別名で「台貫(だいかん)」や「看貫(かんかん)」と呼ばれることもあり、市場にはさまざまなタイプの計量器が存在します。車両の重量そのものや積載物の重量を計測することで、運搬効率や配送計画の精度が向上するだけでなく、道路損傷の防止にもつながります。
多くの業種で重宝される理由として、測定精度の高さや耐久性が挙げられます。一定の基準をクリアしたトラックスケールは、厳しい環境下でも正確に重量を計測し、信頼できるデータを提供してくれます。
トラックスケールの仕組みと測定原理
トラックスケールでは、ロードセルなどの機構を用いて車両に加わる力を計測し、重量を導き出します。ここでは、その原理と計量のメカニズムを解説します。
トラックスケールの中核となるのがロードセルと呼ばれるセンサーです。ロードセルは、金属ひずみゲージなどを用いて荷重を電気信号に変換し、その信号を演算装置で重量値に変換します。このとき、車両の車軸全体で生じる荷重を正しく感知するため、スケール台やフレームなどの設計は厳密に行われています。
ロードセルには耐環境性を重視したステンレス製や防水仕様のものなど、多種多様なタイプが存在します。これらは土砂や水、湿気の多い場所でも精度を保ちやすい構造となっており、長期間でも安定した計量が可能です。
また、計量のプロセスでは、車両がスケール台に乗る位置や車線のまっすぐさも精度に影響します。そのため、正しい設置と運用によって、計測時の誤差をできるだけ小さく抑えることが重要です。
トラックスケールの種類と選び方
設置場所や用途に応じて、地上設置型や埋込型、簡易設置型(ポータブル)など様々なトラックスケールが存在します。それぞれの特長や選定ポイントを押さえて、最適なスケールを選びましょう。
地上設置型
地上設置型は、スケールを地上の上に設置するタイプで、既存の設備に組み込みやすく、メンテナンス性が高いことが特長です。
埋込型
埋込型は、スケールを地面と同じ高さに設置するタイプで、スロープが不要で地面にフラットに設置できるため、敷地が限られた現場や、乗り入れ時の段差を減らしたい現場に向いています。土砂や水がたまりやすい場所でも適切な排水構造を設けることで性能を維持できます。

簡易設置型(ポータブル)は、基礎工事が不要または最小限で済むため、短期間で設置・撤去できるのが特長です。ただし、計測方法によっては誤差が生じるケースもあるため、設置場所の水平確認や計測時の手順には注意が必要です。特に、車両が走行しながら計測したり、パッドが傾いた状態で設置された場合には、計測値にばらつきが出やすくなります。簡易設置型(ポータブル)は、移設にも柔軟に対応できるため、短期間で利用したい場合や、複数の現場を行き来する場合には最適です。手軽に、柔軟に使いたいという方には簡易設置型(ポータブル)がおすすめです。
それでは次に、「簡易的に使えて便利なポータブルタイプのトラックスケールの使い方」について、設置から計測までをステップごとに説明していきます。
トラックスケールの使い方
安全かつ正確に計量するためには、使用手順や注意点を押さえることが非常に重要です。特にポータブルタイプでは、設置の正確さが計測精度に直結するため、以下のステップを守ることで信頼性の高いデータが得られます。
1.設置場所の選定
計量パッドを置く地面は、できるだけ水平で平坦な場所を選びましょう。傾きや段差があると、重量に誤差が出やすくなります。
2.パッドとスロープの設置
車両の通行幅や軸に合わせてパッドを配置します。オプションでスロープを併用すると、スムーズな進入が可能になり、パッド上でのがたつきも防げるため、測定精度が向上します。
3.車両の誘導
計量時は車両をゆっくりと直進させ、パッドの中央に車輪がしっかり乗るように誘導します。ただし、専門的な「走行モード計測」を行うことで、完全停止せずに走行しながら計測する方法もあり、これによって効率は上がるものの、測定精度は若干低下する点に注意が必要です。
4.重量の確認
車両の各軸がそれぞれのパッド上に乗っている状態で測定を行います。このとき表示されるのは、軸ごとの重量です。表示された数値を合計することで、車両の総重量がわかります。
5.データの記録と点検
測定値は「パッドごと」または「軸ごと」に表示されることが多いため、記録時には単位に注意しましょう。測定後は、異常値やパッドのズレがないかもあわせて点検します。
また、トラックスケールの正確な計測を長期間維持するには、定期的なメンテナンスと点検が重要です。日常的に泥や雪がたまりやすい箇所を清掃したり、ロードセル部分の損傷を確認したりする自主点検も測定精度を保つうえで欠かせません。
A.測定値を「取引」に使用する場合、計量法に則った検査(2年に1度)が必要ですが、レックス社の機器は法定検定を取得していない非検定機器であり、主にトラックの積載過積載検知など安全目的で利用されるものです。そのため、「取引」に直接用いない限り法定検査は不要です。
A.主な要因は、以下の通りです。
- 設置場所の傾斜:トラックスケールを設置する地面が平坦でない場合、正確な測定ができません。水平な場所へ設置しましょう。
- 車両の進入速度:パッドに乗り上げる速度が速すぎると、衝撃で正確な重量が測定できません。車両は低速でゆっくりと進入させましょう。
- 測定時の衝撃:パッドに乗り上げる際に、急ブレーキや強い衝撃が与えられると、正しい数値が表示されないことがあります。
- パッドの位置:トラックのタイヤがパッドの中央に乗っていない場合、正確な測定ができません。パッドにあ値してまっすぐに侵入し、タイヤが中央に乗るように調整しましょう。
トラックスケールのおすすめ機器
トラックスケールは、車両の総重量や積載量を正確に測定するための必需品です。しかし、購入となると高額で、設置や保管、点検の負担も少なくありません。そこでおすすめなのが、レンタルサービスの活用です。特に建設現場や期間限定の物流拠点など、プロジェクトごとに使用期間や必要な仕様が異なるケースでは、必要なときだけ利用できる「トラックスケールのレンタル」が非常に便利です。
弊社で取り扱っているトラックスケールの中から、使いやすさや機能性に優れたおすすめ機器をご紹介します。現場のニーズに合った1台を見つける参考にしてみてください。