鉄筋探査とは?鉄筋探査機の種類とメリットや選び方について分かりやすく解説
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鉄筋探査とは、建物や構造物の内部にある鉄筋の位置や状態を非破壊で調べるための重要な技術です。コンクリート内部の状況を正確に把握することで、工事の安全性や精度を高めることができます。
しかし、鉄筋探査と一口に言っても、その方法や使われる探査機の種類はさまざま。目的や現場の状況によって、最適な機材の選び方が異なります。
本記事では、鉄筋探査の基礎知識から、代表的な探査機の種類、探査を行うメリット、さらには選び方のポイントまで、初めての方にも分かりやすく丁寧に解説していきます。
「鉄筋探査って何?」という方から、「どの機材を選べばいいのか迷っている…」という方まで、ぜひ最後までご覧ください!
鉄筋探査とは
鉄筋探査とは、コンクリート内部に埋め込まれている鉄筋の位置や状態を把握するために行う非破壊検査のことです。コンクリート内部は普段は目に見えませんが、実際に鉄筋がどのように配置されているかを正確に知ることは、建築構造物の安全を確保するうえでとても重要です。
たとえば、土木工事の安全確認を行う際は、鉄筋が設計どおり配置されているかどうかを確かめる必要があります。また、鉄筋の腐食調査をはじめとした建築材料の調査にも役立ちます。誤った箇所を削ってしまうと修復に時間やコストがかかるため、正確な位置を突き止めることが重要です。
こうした調査では、専用の建築診断ツールを使って調べることが多いです。非破壊検査の技術を用いることで、コンクリートを壊さずに内部情報を得ることが可能になります。結果として、施工ミスによるリスクや追加コストを抑え、工期を短縮できるメリットにつながります。
さらに、鉄筋探査は構造診断や建築安全の観点からも見逃せません。鉄筋探査は、建設や建築に関わるさまざまな現場で、効率よく正確な情報を得るために欠かせない重要な工程です。
鉄筋探査機の種類と測定原理
鉄筋探査を行う際には、専用の機器が必要です。これらの鉄筋探査機は、測定原理や使い方によって複数の種類があります。一般的には電磁波レーダー法と電磁誘導法の2つが代表的です。
特に電磁波レーダー法を利用した鉄筋探査機は、コンクリート内部の状況を視覚的に波形で表示しやすいという特徴があります。そして電磁誘導法を利用するものは、鉄筋や金属部材に特有の反応を測定する仕組みを持ちます。機種によって測定精度や計測方法が異なるため、目的にあったものを選ぶことが大切です。
鉄筋探査機の種類を正しく理解することで、それぞれの長所や短所を把握し、必要に応じて機器を使い分けられるようになります。これにより、施工現場や建築管理でのスムーズな調査が実現します。
たとえば、深い場所の鉄筋配置を正確に調べたい場合、電磁波レーダー法が向いていることがあります。一方、表層の測定をより迅速に行いたい場合は電磁誘導法が有用となる場合もあります。以下では、それらの測定原理や測定波形の見方について詳しく解説します。
電磁波レーダー法
電磁波レーダー法は、とても多くの建設現場で利用されている測定原理です。機器から電磁波をコンクリート内部に向けて発信し、鉄筋などの物体に反射した電磁波を受信することで位置や深さを推定します。
この方法の大きなメリットは、比較的深い位置にある鉄筋でも検出しやすい点にあります。さらに、測定波形をグラフや画像として表示してくれるため、目視確認がしやすいという特徴があります。一方で、デメリットとしては、測定結果が波形データで出力されるため、正確に読み取るにはある程度の知識が必要になることです。
電磁波レーダー法は、非破壊検査として広く用いられており、コンクリート検査や構造診断の現場でも重宝されます。しかし、機器の調整や周囲の電磁的ノイズの影響を受けやすい場合があり、正確な測定には知識と経験が欠かせません。
たとえば、コンクリートの厚みや内部の水分量などによっても結果が変わりやすいので、建設業のプロフェッショナルが正しく周辺環境を把握しながら測定することが望まれます。
測定波形の見方について
鉄筋探査機を使って電磁波レーダー法を行うと、ディスプレイに測定波形が表示されます。この波形を解析することによって、鉄筋の深さや配置、さらには異常箇所の有無を推定することが可能です。
例えば、波形が大きく上向きに変化している部分は、鉄筋や空隙などの反射が強い場所とされます。測定経験のある人であれば、波形の形や強さでコンクリート内部の状態を細かく読み解くことができるでしょう。
初心者が波形を見る場合は、まずは機器の取扱説明書やメーカーが提供するマニュアルをよく確認し、サンプルの測定結果を学習すると効果的です。なお、機種によって波形の表示形式が異なるため、使用前に十分な確認が必要です。
また、測定時には測定条件や測定範囲を設定することが多くあります。それらを正しく調整しておくことで、精確なデータを得られます。

電磁誘導法
電磁誘導法は、鉄筋探査機の中でも簡便さを重視した測定原理の一つです。機器から発する電磁場により、鉄筋などの金属部分に誘起される電流を検知して位置を推定します。
この方法のメリットは、測定装置をコンクリートの表面に当てるだけで、比較的容易に探査が進められる点です。また、見つけたい鉄筋が浅い位置にある場合や、コンクリート内部の状況を短時間で把握したい場面で特に効果を発揮します。
ただし、電磁波レーダー法に比べて深い部分の探査には向かない場合があります。また、鉄筋が密集している箇所だと、電磁誘導信号が重なってしまい、測定結果を読み取るのが難しくなることもあるため、使用前に計測条件をよく確認しておく必要があります。
それでも、電磁誘導法の鉄筋探査機は小型で取り回しがしやすいタイプも多く、実際の建築現場では「鉄筋探査機の使い方」をマスターしやすい選択肢となっています。非熟練者や頻繁に機器を扱わない現場スタッフにとってもメリットが大きい方法として知られています。

鉄筋探査機のメリットと選び方
鉄筋探査機を用いる最大のメリットは、コンクリートを破壊せずに内部の状態を把握できることです。コンクリート構造物を傷つけずに済むため、工期の短縮や追加コストの削減、そして建設現場の安全性向上に直結します。
また、施工ミスの早期発見にも役立ちます。もしも鉄筋配置の不備があれば、初期段階で補修方法を考えることができるため、大がかりな手直しを減らせます。加えて、構造診断の精度が上がることで、長期的には建築安全の確保につながります。
鉄筋探査機を選ぶ際には、測定原理だけでなく、測定深度、機器の大きさ、操作性などにも注目するとよいでしょう。例えば、電磁波レーダー法のモデルは深部まで調べられる反面、慣れないと設定が難しい場合があります。一方、電磁誘導法のモデルは簡便ですが、深い箇所や鉄筋が密集する場所では精度が落ちることがあるため、想定する現場条件や用途をしっかり確認することが重要です。
すぐにレンタルできる!鉄筋探査機をご紹介
鉄筋探査機は、購入だけでなくレンタルサービスを利用する方法もあります。特に、現場ごとに必要な期間や測定範囲が異なる建設プロジェクトでは、短期的に機器を確保できる「鉄筋探査機 レンタル」がとても便利です。
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鉄筋探査と鉄筋探査機についてのまとめ
鉄筋探査は、建築構造物や土木工事で安全を確保するために欠かせない工程です。コンクリート内部の鉄筋配置を把握し、ひび割れや腐食のリスクを見逃さないためにも、非破壊検査である鉄筋探査が多方面で利用されています。
鉄筋探査機には、電磁波レーダー法と電磁誘導法という2つの主な測定原理があり、それぞれに特有の利点や使用上の注意点があります。深い部分を正確に調べたいか、あるいは簡便さを優先したいかによって、最適な機器の種類は変わります。また、測定波形の見方を理解することで、建築診断ツールとしての価値がさらに高まります。
鉄筋探査機のメリットとしては、非破壊であること、誤差や修正作業を減らせること、建設プロジェクト全体のスケジュール管理を支援することが挙げられます。選び方としては、機能や価格だけでなく、電磁波レーダー法や電磁誘導法といった測定原理の違いや、探査の目的・対象に応じた特性をしっかりと理解した上で検討することが大切です。
さらに、レンタルを活用すれば、短期間だけ機器を使用したい場合や、導入コストを抑えたい場合にも柔軟に対応できます。建設業の現場では、効率と安全性がますます重視される時代となっています。こうしたニーズに応えるために、鉄筋探査機をうまく活用しながら、安全・品質双方を兼ね備えた建築構造物づくりを目指しましょう。