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コンクリートの養生期間や方法について分かりやすく解説!

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コンクリートの養生期間やその方法を詳しくご存知ですか?色々と情報はあるものの、難しいと感じられたことは無いでしょうか?

建築物や大型構造物などの基礎素材などに使われ、私たちの生活に欠かせないコンクリート。その品質を保つためには、コンクリート打ち込み時の「養生」という工程がとても重要です。
この記事では、コンクリートの養生期間や養生の方法などについて分かりやすく解説していきます。またコンクリートの養生期間に活用して、効率化や省人化を図ることのできる計測器なども併せてご紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください。

そもそもコンクリートの養生って?

そもそもコンクリートの「養生」はどういったことを意味するのでしょうか?

コンクリートが強度や耐久性、美観などを含めた性能を維持するためには、コンクリート打ち込み時にセメントと水が接触することで発生する水和反応をしっかりと進行させることが重要です。水和反応が適切に進行することで、セメント粒子の間の隙間が埋まり、強度が発現し、表面状態も美しいコンクリートになっていきます。

「養生」は、この水和反応を適切に進行させるためのものです。ポイントとしては、水分を与えること、その水分が散逸するのを防ぐこと、適切な温度を保つこと、衝撃や有害物質から守ること、などが挙げられます。養生の中にも、乾燥を防止するための「湿潤養生」や水分を保持するための「保水養生」など様々な種類があります。

コンクリートの養生期間に決まりはある?

では、このコンクリートの養生期間には規定や決まりはあるのでしょうか?前の段落でも触れた「湿潤養生」を例にとって説明していきます。

コンクリートの養生期間自体には明確な規定などはないものの、湿潤養生期間には環境やセメントの種類に応じた標準的な期間が設定されています。
例えば土木学会が発行している「コンクリート標準示方書」では、平均気温が15℃以上の環境において、一般的な普通ポルトランドセメントを使用した場合の湿潤養生期間は、5日間が標準とされています。

詳細は以下の図も参考にご覧ください。

ただし標準の期間が経過していなかったとしても、コンクリートの圧縮強度が10N/mm2以上になるまで硬化が進んでいるいることが確認できれば、その後の湿潤養生を打ち切ってよいとされています。
適切に水和反応が進行しているか、その結果コンクリートがしっかりと硬化しているかが、養生期間そのものよりも重要であるといえるでしょう。

コンクリートの養生の方法について

ここからは、具体的なコンクリートの養生方法について説明していきます。

先ほど、コンクリート養生のポイントについて、水分を与えること、その水分が散逸するのを防ぐこと、適切な温度を保つこと、衝撃や有害物質から守ること、などとご紹介してきました。

それぞれのポイントで、取るべき対応は異なります。
まずは水分を与えるという点において、散水や養生マット(吸水性能を持つマット)といった方法がとられます。併せて水分の散逸を防ぐという観点からは、コンクリート表面に散布する膜養生剤やシート被膜といったものも使用されます。
次に、一定の適切な温度を保つために、気象環境に合わせて散水などでの冷却や、電熱マットなどを用いた加熱、断熱材などを用いた保温等の方法がとられます。また、同時に衝撃や有害物質の影響を防ぐため、防護シートやせき板などを使ってコンクリートの保護も行っていきます。

コンクリートの養生には様々な方法があるため、状況や気象環境などに応じて適切な手段を選択して対応するようにしましょう。

以下では、その中でも特に気象条件が厳しい場合に注意すべきポイントなどをまとめています。

気温が高い場合(暑中コンクリート)

日中の平均気温が25℃を超えるような場合は、暑中コンクリートとして施工する必要があります。
外気温が高く直射日光が強い夏季は、コンクリート表面が直射日光の影響を受けたり、表面の水分の蒸発が早めってしまうため、ひび割れなどが発生しやすくなってしまいます。

このような場合は、養生マットなどでコンクリート表面をしっかりと覆うことで水分を維持しつつ、適切なタイミングで散水などの水分供給を行うことが重要です。また表面に膜養生剤などを散布することで、水分の蒸発を防ぐことができます。
また、コンクリート施工前にあらかじめコンクリート材料を冷却しておく、プレクーリングといった方法がとられる場合もあります。

気温が低い場合(寒中コンクリート)

逆に気温が低い場合はどうなるでしょうか?
日中の平均気温が4℃以下になる場合は凍結の可能性があるとされ、寒中コンクリートとして施工を行う必要があります。

低温下では、そもそもセメントの水和反応が十分に引き出せず硬化反応自体が遅くなるほか、水が凍ることで体積が膨張し、コンクリート自体を破損させてしまうことがあるためです。これを初期凍害と呼び、その後コンクリートの耐久性が戻ることは無いため注意が必要です。

初期凍害防止のため、コンクリート表面や型枠の外側をシートで保温したり、断熱材などを用いて温度を保つという方法のほか、そこからジェットヒーターやストーブなどを用いて加熱するといった方法がとられる場合もあります。

いずれの場合も、コンクリートの養生期間中はコンクリートに適した環境を維持し続けることが大切です。

コンクリートの養生期間中に活躍する計測器をご紹介

コンクリートの養生期間において、コンクリートに適した環境を24時間常に人が管理しようとすると、大変な手間や費用がかかってしまいます。
それらを軽減するため、コンクリート養生期間中には様々な計測器や計測システムが活躍しています。

ここでは、特に湿潤養生期間中の管理を自動化することのできる【コンクリート養生無人化システム 養生ヘルパー】をご紹介していきます。

画像説明

NETIS:HK-180022-VE(有用な技術として登録されました)
養生ヘルパーは養生シートの湿潤状態を自動で計算し、設定した値に達した場合に自動で給水が行えるシステムです。夜間や休日でも自動で給水、停止ができるため省人化やコストカットにも大きく貢献することができます。
※電磁弁・ポンプ・散水ホースなどはお客様でご準備ください。

レンタルでご使用いただけますので、コンクリート養生期間に合わせて、必要なときだけご使用いただくことが可能です。

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コンクリートの養生期間と方法まとめ

コンクリートの養生期間や養生の方法についてご説明してきました。

コンクリートの養生期間や方法を理解し、実行することはコンクリートの性能を十分に引き出すためにも非常に重要です。
適切な養生が行われないと、強度不足やひび割れの発生などが起こる可能性があります。
全て人の手で行うことが難しい場合は、うまく計測器やシステムなども活用しながら、適切な養生を行っていくようにしましょう。