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ガス濃度の単位の違いや用語を解説!|vol%・ppm・%LELなど|資料の無料DLも

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この記事でわかること

ガス濃度をガス検知器などで測定する際、様々な単位が用いられます。ここでは「vol%」「ppm」「%LEL」などガス濃度の単位の意味や違い、許容濃度や指示精度といった用語についても分かりやすく解説していきます。最後に「ガスの基礎知識」の資料の無料ダウンロードもお付けしておりますので、ぜひ最後までお読みください。

ガス検知器で用いられる単位について

まずはガス検知器などでよく用いられる濃度の単位について説明していきましょう。

vol%(ボリュームパーセント)

vol%(ボリュームパーセント)は「体積におけるガス濃度」を百分の1で表したものです。
基本的には、一般に表現される%と同じ意味を持ちます。比較的ガスの濃度の割合が高いものを測定する場合によく用いられます

vol%のガス濃度例

vol%で表されることの多いガスの代表は、大気中の酸素濃度(O2 )です。
酸素は自然の環境下では空気中の割合が約21%程度のため、一般的な酸素濃度計ではvol%を用いて「21vol%」と表されます。

ppm(ピーピーエム)

ppm(ピーピーエム)は、parts per millionを意味し「体積におけるガス濃度」を百万分の一の単位で表したものです。比較的低い濃度を測定する場合に使用されることが多い単位です。

ppmのガス濃度例

一酸化炭素濃度の例

ppmで表されることの多いガスには、例えば一酸化炭素(CO)があります。一酸化炭素の許容濃度は50ppmと非常に低い濃度であるため、測定時にはppmの単位が用いられます。

%LEL(パーセントエルイーエル)

%LEL(パーセントエルイーエル)は、対象ガスの爆発下限濃度(LEL)を100%とした場合の濃度を表す単位です。爆発の危険がある可燃性ガス等を測定する際に使用される単位です。
この爆発下限濃度(LEL)はガスの種類によって異なります。

%LELのガス濃度例

可燃性ガスの一種である水素(H2)を測定する際に、%LELが用いられる場合があります。
水素ガスの場合、爆発下限濃度(LEL)は4vol%ですので、この4vol%を100%とした場合の濃度が、%LELで表されます。
これを換算すると、水素ガス1vol%=25%LELとなります。

出典:フィガロ技研株式会社 -「ガスに関する基礎知識」
https://www.figaro.co.jp/knowledge/inflammablegas.html

ガス濃度の単位換算

vol%、ppm、%LELの単位換算について改めておさらいしていきましょう。
水素ガスを例として、1vol%の濃度の水素ガスをそれぞれppmと%LELに換算すると以下のようになります。

1vol% = 10,000ppm = 25%LEL 

ガス単位の比較

ガス検知器で用いられる用語

単位以外にも、ガス検知器を使用する際によく出てくる用語やガスに関するキーワードをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

爆発下限界濃度(LEL:Lower Explosive Limit)

可燃性ガスが空気と混合して着火によって爆発を起こす最低濃度です。
例:水素の最低濃度は4.0vol%

LELの説明図

爆発上限界濃度(UEL:Upper Explosive Limit)

可燃性ガスが空気と混合して着火によって爆発を起こす最高濃度です。これを超えると空気(酸素)が足りなくなるため可燃性がなくなり爆発しなくなります。
例:水素の最高濃度は75vol%

燃焼範囲(爆発範囲)

可燃性ガスが空気と混合して着火によって爆発を起こす濃度範囲です。 爆発上限界(UEL)と爆発下限界(LEL)との間の濃度範囲を指します。 
例:水素の爆発範囲は4.0vol%~75vol%

許容濃度

許容濃度とは、有害物質のある環境下で労働者が1日8時間、1週間40 時間程度の作業を継続したとしても、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度を意味します。許容濃度はTLV(Threshold Limit Value)とも呼ばれます。
例えば有毒ガスの一種である硫化水素では、許容濃度は 5ppm と設定されています。

指示精度

測定範囲全域において、測定値を正確な値と比較した際の許容誤差範囲です。

分解能

測定器で読み取ることのできる、最小読み取り値のことです。

サービスレンジ

ガス検知により濃度の値を示しますが、精度の保証対象外となる範囲です。

主要可燃性ガスの爆発下限界(LEL)一覧表(参考)

前述の通り、爆発下限界(LEL)はガスの種類によって異なることに注意が必要です。主要可燃性ガスの爆発下限界(LEL)をまとめましたので、是非こちらも参考にしてみてください。

ガス及び蒸気名 分子式(化学式) 燃焼(爆発)下限界[vol%]
水素 H2 4.0
メタン CH4 5.0
プロパン C3H8 2.1
エチレン C2H4 2.7
プロピレン C3H6 2.0
アセチレン C2H2 2.5
トルエン C6H5CH3 1.2
O‐キシレン C6H4(CH3)2 1.0
メタノール CH3OH 6.0
エタノール C2H5OH 3.3
アセトン (CH3)2CO 2.1
メチルエチルケトン CH3COC2H5 1.8
酢酸エチル CH3COOC2H5 2.0
酢酸ブチル CH3COO(CH3)2CH3 1.7
ガソリン  - 1.0
n‐ヘキサン CH3(CH2)4CH3 1.1
ブタジエン CH2=CHCH=CH2 2.0
アセトアルデヒド CH3CHO 4.0
塩化ビニル CH2=CHCl 3.6
一酸化炭素 CO 12.5
アンモニア NH3 15.0
硫化水素 H2S 4.0
ベンゼン C6H6 1.3
アクリロニトリル CH2=CHCN 3.0
酸化エチレン CH2CH2O 3.6
シアン化水素 HCN 5.6

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画像の説明

資料内容
■ vol% ppm %LELのガス濃度と単位換算