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墜落制止用器具の新規格&胴ベルト型とフルハーネス型について徹底解説!

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墜落制止用器具という新規格で指定されている胴ベルト型、フルハーネス型は、具体的にどのようなものかご存知でしょうか。
法改正の重要ポイントを理解することはもちろん、新規格のものを使用することが義務付けられています。
事前確認や使用にあたってどのような注意が必要なのか、それぞれの型の選定方法など、
ここでは押さえおくべき重要なポイントを、厚生労働省が公表する改正点の内容とともに解説しています。

墜落制止用器具の新規格&胴ベルト型とフルハーネス型について徹底解説!

墜落制止用器具という新規格について、それに該当する胴ベルト型やフルハーネス型について、これから解説していきます。

そもそも墜落制止用器具という新規格自体が、聞き慣れない用語ですね。これは厚生労働省より新たに公表された用語です。
従来の胴ベルト型やフルハーネス型の「安全帯」と近いものではありますが、安全帯のことをそのまま指す用語ではありません。
新規格になって何がどう違うのか、どういった選定が必要なのか、用語ごとに1つ1つ解説していきます。

墜落制止用器具の新規格って?

墜落制止用器具の新規格やそれに関する省令や政令については、2018年から公布されており、2022年1月2日より完全施行になりました。
「安全帯」の頃の胴ベルト型やフルハーネス型とは規格が異なる為、どういったものが該当するのか把握しておく必要があります。

それぞれの要点を絞って説明していきますので、お持ちの器具が該当するかどうか必ずご確認ください。

墜落制止用器具の胴ベルト型とフルハーネス型って?

墜落制止用器具の新規格において器具の種類は、胴ベルト型とフルハーネス型に分かれます。
どういった特徴や違いがあるのか、下記にて2種類それぞれについて解説していきます。

墜落制止用器具の胴ベルト型を詳しく解説!

墜落制止用器具(新規格)の「胴ベルト型」について解説します。
「安全帯」と比較するというよりは、新しい器具として覚え直す方が分かりやすいかもしれません。

「胴ベルト型」は、主に腰部周りに帯状のベルトを固定して着用する墜落制止用器具です。
最も大きな特徴として、安全帯の胴ベルト型には「一本つり」タイプと「U字つり」タイプがありますが、
「墜落制止用器具」として新規格で指定されている胴ベルト型は「一本つり」タイプのみであり、
「U字つり」タイプは対象としては認められていません。
ランヤードの種類は1種類のみで、衝撃荷重が4.0kN以下のものを指し、フックの取付位置は腰より高くないといけません。
また使用可能な高さに上限があり、最大の自由落下距離は2.3m程の想定となります。※実際の現場状況により異なります。

墜落制止用器具のフルハーネス型を詳しく解説!

次に、墜落制止用器具(新規格)の「フルハーネス型」について解説します。
「フルハーネス型」は、肩・腰部・腿など身体の複数箇所でベルトを固定して着用します。
ランヤードは2種類あり、第1種ショックアブソーバは、墜落時の自由落下距離が1.8mで衝撃時に受ける荷重が4.0KN以下、フックの取付位置は腰より高くないといけません。
第2種ショックアブソーバは自由落下距離4.0m・衝撃荷重6.0KN以下、フックの取付位置は足元でも腰より高くても取付可能です。

※特注を除いて墜落制止用器具の着用者及び装備品の合計重量制限は、85kgまたは100kgまでとなっています。
 また、製造にあたっては他にも詳細の規定や試験方法などがあります。
 旧規格製品の製品タグには『「安全帯の規格」適合品』と記されており、
 新規格のものには『「墜落制止用器具の規格」適合品』と記されています。

墜落制止用器具の新規格で胴ベルト型とフルハーネス型を選定するのはそれぞれどんな時?

墜落制止用器具の新規格内では、胴ベルト型とフルハーネス型の使い分けは、主に作業箇所の「高さ」によって規定されています。

前提として原則、墜落制止用器具のフルハーネス型の使用が義務付けられています。
胴ベルト型は落下時に胴や腰部及び内臓へ負荷が集中する為です。
国際規格としても肩・腰部・腿などへ負荷が分散されるフルハーネス型が採用されています。
ただし、ショックアブソーバーの伸長状態も含め、万が一の落下時でも、決して地面へ到達することがない器具やフック位置を選定する必要があります。
国内において条件によっては、墜落制止用器具の新規格に沿った胴ベルト型の使用も認められています。

高さに関しては、作業箇所の高さが6.75m以上の場合は、必ずフルハーネス型をご使用ください。

※義務とされているのは6.75m以上ですが、フルハーネス型を着用する推奨基準として、
 柱上などでの作業では2m以上、建設での作業では5m以上と、厚生労働省発行のガイドラインで明記されています。
 墜落制止用器具の新規格では6.75m以下の場合のみ、胴ベルト型(一本つり)の着用も可能です。

墜落制止用器具の新規格では胴ベルト型「U字つり」は使えない?

墜落制止用器具の新規格では、胴ベルト型の「U字つり」タイプは墜落制止用の器具として認められていません。墜落制止としての機能は「ない」と判断されている為です。
ただし使用が禁止されているわけではなく、あくまで体勢を維持する「ワークポジショニング用器具」としての位置付けになります。
その為、使用時は墜落制止用器具と必ず併用する必要があり、原則、取付設備の取付は、足元や胴周りではなく頭上の位置としてください。

墜落制止用器具の新規格&胴ベルト型とフルハーネス型について徹底解説!のまとめ

ここでは①墜落制止用器具の新規格について ②胴ベルト型とフルハーネス型それぞれの特徴や選定方法について、解説しました。
器具準備前に「作業箇所の高さ」「着用者及び装備品の合計重量」「フック位置」の確認が必須となりますので、以上を踏まえて墜落制止用器具の選定を行ってください。

更に墜落制止用器具について詳細を知りたい、手元に資料を保管しておきたいという方向けに、リーフレットのご用意もあります。
ご希望の方は、下記の無料ダウンロードページへお進みください。

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法改正の内容、新規格について、胴ベルト型とフルハーネス型の違いなど、当記事を含めた関連情報を総合的にまとめました。 こちらのリーフレットは無料プレゼントしていますので、是非プリントアウトしてご活用ください。

フルハーネス型安全帯義務化について分かりやすく解説!

掲載内容
■ 改正のポイント3選
■ 新規格「墜落制止用器具」とは?安全帯との違いとは?
■ 胴ベルト型とフルハーネス型の違い
■ 旧規格と新規格を見分けるコツ



また、2m以上の高さがあり、作業用の床が設置できず、墜落制止用器具のフルハーネス型を使用する際には
事前に特別教育を受ける義務があり、その必要性や使用方法をきちんと理解しておく必要があります。

※あくまで理解にあたっての参考資料の1つになります。
 特別教育の内容としては、作業や墜落制止器具、法令などに関する学びの時間が4時間30分、
 使用などに関する実技項目が1時間30分義務付けられていますので、ご注意ください。