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トレーサビリティとは?意味と必要性を簡単に解説!

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トレーサビリティとは?その意味を改めて聞かれると、簡単には答えられないこともありますよね。
その製品の生産や流通の履歴が追跡可能であること。これがトレーサビリティと呼ばれ、様々な業界で用いられています。
ここでは製造・建設業界などで使用される、計測器における計量トレーサビリティについて、その意味と何故必要なのかを誰でも簡単に理解できるよう解説していきます。

トレーサビリティとは何か?意味を簡単に解説!

トレーサビリティとは、簡単にわかりやすく解説するとその意味としては追跡可能であること、または追跡可能であるためのシステムを指します。
実は、トレーサビリティはtrace(追跡)と ability(可能性)からなる造語。
計測器業界における「計量トレーサビリティ」とは、その中でも、以下のように定義されています。

個々の校正が測定不確かさに寄与する、文書化された切れ目のない校正の連鎖を通じて、 測定結果を計量参照に関連付けることができる測定結果の性質。

(引用元:ISO/IEC Guide 99:2007)

計測器そのものの信頼性が証明されなければ、測定結果が正しいものかどうかも証明できません。
計測器が適切に校正されていること、校正する標準が国家標準まで辿れることが確保されていることによって、初めて証明が可能になります。

ではなぜトレーサビリティが必要とされるのでしょうか。 
もしもトレーサビリティがなかったとしたら?
そんな疑問にお答えするべく、次はトレーサビリティの必要性についてお伝えしていきます。

トレーサビリティはなぜ必要?その意味を簡単に解説!

トレーサビリティが存在する意味とは。簡単にわかりやすく紐解いていくために、業界の背景とともに何故必要とされているのかを解説します。
特に計測・計量業界におけるトレーサビリティは、品質や信頼性の観点から、求められる場面が増えています。
仮に計測器メーカーそれぞれが独自の基準で製造や流通を行った場合、測定結果においてユーザーが受けられる品質に差異が出てしまいます。
計測器の測定精度や挙動を確認する校正においても同様です。

だからこそ校正の基準を明確にして、いつだれが、どのような基準で校正したものかを追跡できるようにしておかなければなりません。
校正の結果「問題ない」という判断が出たとしても、その校正に基準がなければ信用できませんよね。

また、昨今製造業界においてもグローバル化が進んでいます。
海外で製品やその部品を製造する際には、それが基準を満たしているかどうかを測る計測器がどこの誰が校正したものかもわからなければ、品質が担保できませんよね。
もしトレーサビリティがなかったら測定結果の正確性を証明できなくなるほか、測定の項目や結果が同一であるかどうかも判断できなくなるかもしれません。

そういった不確かな基準で計測された環境や、製造物に囲まれて生活をするとしたら。
人々の生活には様々な不都合が生じます。
だからそトレーサビリティによって計測器の基準を明確に統一し、それによって計測される様々な要素の品質を担保する必要があると言えるでしょう。

トレーサビリティと合わせて語られる用語の意味は?簡単に解説!

トレーサビリティそのものだけでなく、関連する用語の意味も簡単にわかりやすくお伝えしましょう。
トレーサビリティと併せて語られることが多いのが、校正証明書・トレーサビリティ体系図、試験成績書(検査成績書)の3種類です。
次は、トレーサビリティをより深く理解するために、これらの用語3つについて、わかりやすく解説していきます。

校正証明書

校正証明書は計測器を校正した際、その結果を記した書類になります。
校正を確かに実施したことを明示する証明書で、トレーサビリティそのものを証明する意味でも重要な書類です。

トレーサビリティ体系図

トレーサビリティ体系図は、校正に使用した機器の経路をしたチャート図です。
校正に使用した機器、さらにその機器の基準…と辿っていくと、最終的に国家標準までたどり着くことになります。
全ての経路において基準や機器が明確にされ、それらが簡単に追跡できる体系図になります。

試験成績書(検査成績書)

試験成績書は、検査成績書とも呼ばれます。
計測した結果数値のほか、合否判定結果が記載されていることが多いです。

一般的に校正が行われた際には、これら3点の書類がセットとなり発行されることが多いです。
計量トレーサビリティを理解する上でも、押さえておくべき用語となります。

トレーサビリティを簡単に取得するための方法は?基本の2種類をご紹介!

ここまで、トレーサビリティとそれに関連する用語についても解説してきました。
ではトレーサビリティを簡単に取得するためにはどうすればいいのか?というと、大きく分けて2つの方法があります。

計測器の保有の有無などによって方法が変わってきますので、それぞれの場合について簡単にわかりやすく説明していきます。

計測器を保有していない場合:校正証明書・トレーサビリティ付の計測器をレンタルする

計測器が手元にない場合、新たに計測器を購入するか、レンタルする必要が出てきます。
購入する場合は前述の校正業者への依頼が必須になってきますが、短期間でしか使用しない場合はコストが大きくなってしまいますよね。

そこで便利なのが計測器のレンタルです。
必要な期間のみ計測器を借り入れることでコストが圧縮でき、その日から直ぐに使用いただけます。
さらに校正が適切に実施された計測器を選んでレンタルすることで、校正業者に依頼する手間や費用もカットできます。
レンタルするだけでトレーサビリティの取得まで簡単に済んでしまうのは便利ですよね。

株式会社レックスでは、一部機器については校正期限の管理を行っています。
対象機器については校正期限が切れた状態で出庫することはありません。
トレーサビリティを取得しながらも、コストを抑えて計測器を利用したい、という場合には一度レンタルを検討されてみてはいかがでしょうか。


計測器を既に保有している場合:校正業者に依頼する 

仮に計測器を購入するなどして保有していたとしても、使用ユーザーが校正まで行うことは極めて困難です。
そこで既に手元にある計測器を、専門の校正業者に依頼しプロの手で校正を受けることが1つの方法になります。
トレーサビリティの取得がより簡単になります。

具体的には実績のある校正業者を選定し、校正を依頼します。
しかし、計測器を校正に出している間は当然ですがその計測器が手元からなくなってしまいます。
使用する予定がある場合はそれまでに返却されるかという納期の確認が重要になってくるでしょう。
校正中、代替機の手配がある校正業者だととても便利ですね。

株式会社レックスでは、このようなお悩みに応えるサービスサイトとして、「校正マスタ」を運用しています。
サイト上に掲載している計測器であれば校正が可能です。
さらに校正実績は年間18,000台以上。短納期での校正対応が可能で、機種によっては市場価格より低コストで校正が依頼できます。


トレーサビリティの意味と必要性について簡単まとめ

計量トレーサビリティの意味とは、測定結果が上位の標準まで辿れること。
そして、その結果を体系的に文書化することが含まれています。

品質や信頼性の観点から、トレーサビリティがとても重要であることをお伝えしてきました。
さらにトレーサビリティと共に語られることが多い、校正にまつわる文書3種と、取得のための方法2種を知って頂けたかと思います。
計測器をご利用の際は、その製品がトレーサビリティが確立されているものか、是非ご確認ください。

イチから学ぶはじめての校正

掲載内容
■ 今しか聞けない 校正の 5W1H
■ そもそも「校正」が必要なものって?
■ 作業着のポケットに!校正・計測 よく耳にする用語集